第〇話 予兆


 その日、羽奈は蒼志の家でいつものように勉強した後、次の日が休みなのをいいことに、電話で孤児院に外泊許可をもらって、そのまま泊めてもらうことになった。ご機嫌で蒼志の作った夕食を食べ、お風呂に入る。
 羽奈がお風呂から上がると、蒼志は自室の机で手紙を読んでいた。木製の少し古めかしい雰囲気がいい感じの机だ。
 羽奈はそっと戸口の所から蒼志の顔を見つめた。
 最初はどこか幸せそうに手紙を読んでいた蒼志だが、読み進むに連れ表情が曇っていく。
「先生・・・?」
羽奈がそう声を掛けると、蒼志はハッと慌てて顔を上げた。同時に手紙をさっと、机の引き出しにしまう。
 「・・お風呂から上がったんだね。ごめんね、気付かなくて。よく髪を乾かした?」
蒼志のぎこちない問いに、羽奈は怪訝そうな顔で頷く。
「じゃあ、僕もお風呂に入ってくるよ」
そう言って慌てて部屋から出ていく蒼志に、羽奈は手紙のことに触れることができなかった。
 


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